CES 会場となったラスベガスコンベンションセンター


Digital Gadget #111

CES 2008 で家電三昧

ラスベガスでみかけたデジタルガジェットたち


■ エコとリサイクルの CES 2008

世界最大の家電見本市 CES(Consumer Electronics Show)2008 が 米国ラスベガスで 2008年1月7日〜10日の 4日間開催されました。

 ● 2008 International CES
 http://www.CESweb.org/

CES 2008 では、世界240ヵ国から約2700社の出展、2万点を超える製品の展示がありました。 今年は昨年よりも若干少ない 13万人を超える参加者を集めました。 展示会場は、昨年よりも広くなり、185万平方フィート(約17万m2)でした。

日本の展示会場ビッグサイトが 10ホール全部で総展示面積が約8万m2 であることを考えると、 とても巨大な展示会場であることが実感されます。 何より、縦横に展示物が溢れる展示会場を歩いても歩いても、 端に到達出来ないほどの大きさに驚かされました。

今年は家電業界のみならず、自動車業界、ケーブルテレビ業界からのキーノートスピーチがありました。 車中の情報機器や、ネットワークの重要性がますます増加してきたことが実感されました。

また、今年の CES は環境問題、低消費電力、 リサイクルを前面に打ち出した展示を行っているブースも多く見受けられました。 イベントとしてのみならず、企業としての姿勢や取り組みがアピールされる場でもありました。

CES 2008 で実感されたトレンドは以下のようなものでした。

  • 実用レベルの画像認識が流行 (Microsoft,Intel,Nokia)
  • Panasonic+Google提携、テレビでインターネット上のサービス YouTube/Picasa が見られるように。
  • 家電(TV) と Web の融合がますます進む (Sharp AQUOS net など)
  • SetToBoxの筐体や、リモコンが疎まれる。サービスが便利になるのは歓迎、リモコンが増えるのは嫌がられる。
  • サムソン、LGといった韓国勢のデザインへの力の入れように圧倒される
  • エコ、低消費電力、リサイクル、省パッケージが流行・キーワードに
  • TransferJet(SONY),WirelessHD といった平易に使える無線技術が台頭
  • 家電機器固有ではなく、サービスやユーザインタフェースを含めて評価される
  • Blu-ray vs. HD-DVD, 一見勝者は Blu-ray、実は勝者はハードディスク?

 ※ TransferJet  http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200801/08-002/  ※ WirelessHD  http://www.wirelesshd.org/

CES 一番の大物として150インチの超巨大プラズマテレビが登場しました。 さらに「大きさ」のみならず「薄さ」と「明るさ」の競争も熾烈でした。 ただし展示全体の風潮としては、家電機器単体で評価されるのではなく、 まわりを取り巻くサービスや、ユーザインタフェースの使いやすさといった ユーザにとってのメリットや使いやすさを総合して評価されるようになってきました。 主流商品は日本の Webニュースなどで取り上げられているものも多いので、 ここではちょっと変わった珍しいものを中心に紹介していきましょう。


■Cruzer Titanium Plus / SunDisk

http://www.sandisk.com/

オンラインのバックアップサービスが付いた 4GB の USB メモリ。 パソコンに USB接続すると、瞬時に自動バックアップが始まる。 メモリ内も、オンラインに保存する場合も AES暗号化され保存される。 オンラインストレージとして安価で安定している Amazon S3 を活用している。 平易に利用できるハードウェアデバイスと、一般的なオンラインサービスを組み合わせたサービス。 他にも SanSisk からはペンダント型の USBメモリが注目を浴びていました。

■SWiVEL HUB / BELKIN

http://www.belkin.com/

4ポートの USBハブ。通常のハブと機能は変わりないのだが、 縦横ナナメと自由に回転されることが出来るため、モバイルでの活用に長けている。 他に BELKIN からは無線 USB ハブも出展されていた。

■N52 TE Keypad / BELKIN

http://www.belkin.com/

主にアクションゲーム用として使われるゲームパッド。 Photoshop など専用アプリケーションにキーを割り付けることによって、より快適に使えるようになるそう。

■Mylo 2 (COM-2) / SONY

http://www.sony.jp/products/Consumer/Mylo/

パーソナルコミュニケータ Mylo の新バージョンがお目見えしました。 オレンジバージョンとブラックバージョン。 液晶画面が 800x480 になりました。QWERTY キーボードの押下感触も良いものでした。 会場では同時に PSP が Skype に対応するとの発表もあり、mylo の位置づけは ますます微妙な立場になった感じがします。

■NSC-GC1 NET-SHARING CAM / SONY

http://www.sonystyle.com/

YouTube や eyeVio などの動画共有サイトとの連携に適したムービーカメラ。 安価であるとともに、標準で MPEG4 に対応しているため、 余計な動画圧縮フォーマットの変換無しにオンラインサービスに手軽にアップロードできるのが特徴です。 展示会場ではあまり注目を浴びてはいませんでしたが、 今後確実にニーズの高まる分野の機材だと思われます。

■SlingPlayer Mobile / Sling Media

http://www.slingmedia.jp/

専用機器 Slingbox との組み合わせで、様々な映像信号を Windows Mobile, PalmOS, Symbian OS のモバイル機器で利用できる。 日本では携帯電話でワンセグの見られる機種が台頭しているが、 SlingPlayer Mobile では家で見られる全ての映像が外出先でも見られると考えると、やはり一歩進んだサービスだ。 同種の機器もいくつか存在するが Sling の場合、一人のユーザが様々な 一般的な機器で見られるところに優位性がある。 また Clip+Sling (http://www.lebowski37.com/) というテレビ番組の一部分を友人と共有するクリッピングサービスも開始する予定だ。

■Optimus Maximus keyboard / Art. Lebedev Studio

http://www.artlebedev.com/everything/optimus/

噂だけが先行していた各キーが ELディスプレイで構成されたキーボード。 鮮やかな発色とともに、メカニカルキーボードとしての感触も悪くないものでした。 フルキーボードとしては高価でサイズも大きめですが、 シフトキーを押した瞬間に、A〜Z のキーボードが全て大文字・小文字に表示が変化するのを 見るのは快感です。高価な機材なので盗難防止用のロック端子も装備しているそうです。

■chargepod / callpod

http://www.callpod.com/products/chargepod

増え続けるデジタルガジェットユーザ向けの充電機器。 アダプタと併用して一度に 6個のデバイスに給電可能。

■Powermid / Kreative Power

http://www.kreativepower.com/

かさばるAC/DCアダプタに適したピラミッド型の電源タップ。 どんなところにも商売のチャンスがあるんだなと関心したガジェットでした。

■Liquid Image

http://www.liquidimageco.com/

デジカメを搭載した水中カメラ。水中眼鏡をしたままでカメラの ON/OFF操作や、 ビデオ撮影ができる。なんという事は無いのだが、販売員の熱意に圧倒されました。

■Mplayer / iriver

http://www.iriver.co.jp/estore/mplayer

ディズニーのミッキーの形をした MP3 Player. 耳の部分が操作スイッチになっており、音量の増減や、曲のスキップなどを行う。 MP3 player が使いやすさとか、ブランドなどとは違った、アクセサリーという 領域で勝負し始めたのを実感しました。 また他社から「振る」ことによって操作する MP3 も出展されており、 まだまだ新しい領域が開拓されていることが感じられました。

■free space / hillcrest labs

http://www.hillcrestlabs.com/products/freespace.php

ブレスレット型のリモコンです。Wii リモコンと同じように、傾きを感知して ポインティングできる操作が直感的で平易なリモコンです。 テレビ画面上のズーミングインタフェースもリモコンとの連動感が素晴らしいものでした。

■Portable Power Honoree / WildCharge

http://www.wildcharge.com/

ケーブル接続無しに充電できるソリューション。 シート状の充電デバイスの上に携帯電話や iPod などを置くだけで充電できる。 専用のアダプタをつける必要があるが、とても便利に使える。多くのデバイスに広がっていって欲しい。

■Looj / iRobot

http://www.irobot.com/sp.cfm?pageid=354

日本ではあまりなじみが無いが、家の雨樋(どい)に溜まった枯れ葉を掃除するための専用ロボット。 プロペラが回りながらものすごい勢いで枯れ葉を吹き飛ばしていく。とても「アメリカ」を感じた製品。

■PLC XL-50 / SANYO

http://www.sanyo.co.jp/

短距離投影型プロジェクタ。 日本のお家事情を反映してか、ごく短距離で大画面投影できるプロジェクタが各社から登場していました。 Hitachi の CP-A100 も同様の超短投写距離プロジェクターとして出展されていました。

■HomeBase / Audiovox

http://www.audiovox.com/

家庭内の伝言用に冷蔵庫などに貼り付けて使うホワイトボードデバイス。 マイクやカメラなどが搭載されている他、ポストイットやペンを格納する部分もあるのが実用派。 カレンダー機能と組みあわせて、誕生日メッセージを送ることなどができる。

■Fablic PC / Fujitsu

http://www.fujitsu.com/global/

参考出展されていたコンセプトモデルである Fablic PC. 布やゴムっぽい質感が既存のパソコンとはまた違って 新鮮なツールとして存在感を放っていました。早く実用化されて欲しいものです。

■Zink / Plaroid

http://www.polaroid.com/onthego/tech.html

特殊な紙にプリントするインクのいらない超小型プリンター Zink の技術が Polaroid にライセンスされ 製品として登場していました。印刷品質は若干荒さが目立つながらも、 印刷の手軽さは圧倒的で、モバイル用途に便利なデバイスです。

■LP DOCK / *ion

http://www.ion-audio.com/lpdock

旧来のレコードを iPod に保存できるよう変換できるレコードプレーヤー。 CESではこのような旧来の家電と新規家電との組みあわせデバイスが数多く出展されていました。

■Media Center / 3DV Systems

http://www.3dvsystems.com/

PlayStation 用のハードウェアとして提供されている EyeToy の開発元である 3DV Systems からは メディアセンターコントロール用の奥行き感知カメラが出展されていました。 従来リモコンで行っていた操作を、人の手のジェスチャで行うものです。


■ 来年の CES にも期待

CES 会期中、Yahoo!Tech (http://tech.yahoo.com/ces) が主催の "The Last Gadget Standing" という人気イベントも開催されました。 各社がご自慢の新製品を短時間でデモ・紹介するというイベントです。 イベントでは Eye-Fi (http://eye.fi/) という SDメモリカードサイズの無線機器、 普通のデジカメを無線LAN対応にするカードデバイスがグランプリを 受賞していました。

2008年 3月25日〜27日にはドバイで CES home (http://www.hometechexpo.com/) [現在工事中] というイベントが開催されます。 100インチを超える巨大なディスプレイやホームシアター製品は、 ドバイの裕福層が顧客となり、ニーズを牽引しているとの話しも聞きます。 時代を担ってきた数々の新しい家電製品のデビューの場である CES. 来年もまた、未来的すぎない、すぐにでも使える新製品群を期待しています。



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