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Digital Gadget #116

プレゼンも Web の時代に


■ プレゼンテーションの浸透

プレゼン(プレゼンテーション)というと、まず思い浮かぶのは PowerPoint (Microsoft) でしょう。 スライドやOHP(オーバーヘッドプロジェクタ)でプレゼンテーションしていたのは過去のこととなり、 今では世の中の数多くのプレゼンテーションが PowerPoint で行われています。

その一方、新しいプレゼンテーションツールも広がりを見せています。 Apple の Keynote や、Webブラウザ上でプレゼン資料を作れるサービスなどです。 Keynote は魅力的なプレゼンテーションで他を圧倒しています。 Apple 社 Steve Jobs が自身のキーノートスピーチ用に作られたとも言われています。 他にも Al Gore 氏によるKeynote を使って地球温暖化に関するプレゼンテーションも 分かりやすく魅力的な内容とともに評判になっています (プレゼン素材は Duarte Design社が制作したもの)。

さらにGoogle Video, YouTube では歴史的なものも含め、 数多く著名なプレゼンテーションを見ることができます。 また Sun Microsistems では PowerPoint 禁止令が出るなど、 目の敵にされている場合もあります。

従来は簡易的な機能しかなかった Webブラウザ上でプレゼン資料を作成するサービスも、 PowerPoint/Keynote に負けず劣らず機能豊富で美しい資料が作れるようになってきました。 では、いくつか新しく有用なサービスを紹介していきましょう。


■ プレゼン資料作成・共有ツール紹介

■ 280slides

http://280slides.com/

280slides は Apple Keynote 風の美しいプレゼンテーションが作成できるサービスです。 使い方やユーザインタフェースも Keynote に良くにて・・。 スライド共有サイトSlideShareとの連携や、YouTube, Flickr などにある素材を活用できる点が便利です。 また PowerPoint 形式のファイルとしてダウンロード出来るので、活用の場も広がります。 MacOS用アプリケーションのフレームワークである Cocoa とほぼ同等のものを JavaScript で実装した Cappuccino というフレームワークで開発されているそうです。

■ EMPRESSR

http://www.empressr.com/

EMPRESSR は Flash ベースで動作するオンラインプレゼンテーションツールです。 決して機能豊富とは言えませんが、必要十分な機能を有しています。 素材となる動画や画像は外部サイトのものを載せることができます。 また完成したプレゼンテーションを自身の Web ページに埋め込んで活用することができます。 将来的には Adobe AIR ベースのオフラインツールがリリースされる予定です。

■ SlideRocket

http://www.sliderocket.com/

SlideRocket はオンライン上でプレゼンテーションを作成し、多くのユーザと共有するための サービスです。黒を基調としたインタフェースは落ち着いた印象で、使いやすいものです。 SlideRocket はプレゼンテーションを「公開」する部分が充実しており、 公開したプレゼンテーションがどれくらいのユーザにどのくらいの時間見ていたのかを統計的に知ることができます。

■ Zoho Show

http://show.zoho.com/

Zoho Show は一連のオンラインオフィスツールの中のプレゼンテーション作成ツールです。 複数のメンバーで共同編集することや、 他のユーザへ遠隔でプレゼンテーションできることが特徴です。 例えば電話で説明しながら、プレゼンテーションをめくっていくことができます。 さらにPPT,PPS,PDF ファイルに出力が可能です。 画像ファイル素材として写真共有サイト Picasa, Flickr が利用可能です。

■ Google Docs

http://docs.google.com/

Google が提供する Google Docs の中にもプレゼンテーションツールが登場しました。 作りながら確かめたり、スライドを複数メンバーで共有して編集作業を行うことができます。 リビジョン管理がしっかりしているので、特に複数メンバーで編集を行う際に重宝します。 Gmail のメールに添付された PowerPoint ファイルを活用できるのも特徴です。

■ SlideShare

http://www.slideshare.net/

SlideShare はプレゼンテーション資料共有サイトです。 プレゼンテーション資料の YouTube とも言えるべきサービスです。 PowerPoint のファイルをアップロードすると自動変換され、 Web ページやブログページに組み込んで表示できるようになります。 プレゼンテーションや Web 開発関連の有用なプレゼンテーションが数多く登録されており、 プレゼン資料の調査や調べ物にも重宝するサービスです。

■ CuePrompter

http://www.cueprompter.com/

重要なプレゼンテーションや、台本があり話すことが決まっているような場合、 プロンプターと呼ばれる専用機器で原稿の文面を表示することがあります。 CuePrompter は手軽にオンラインでプロンプター用原稿を作成するサービスです。 作成した原稿はそのまま Web ブラウザでプロンプター風に表示されるので、 急なニーズにも臨機応変に対応できるサービスです。

■ Zentation

http://www.zentation.com/

Zentation は Google Video に登録されているビデオ映像に合わせて プレゼン資料を公開することの出来るサービスです。 Google Video とプレゼン資料は連動しており、 長時間にわたるプレゼンの場合は、資料をめくりながら間を飛ばして見ることもできるのが特徴です。

■ ANIMOTO

http://animoto.com/

ANIMOTO はビデオ映像と静止画像、音楽を組み合わせてスタイリッシュなプレゼンテーション素材を 作ることのできるオンラインサービスです。 発表のためのプレゼンテーション資料というよりも、 展示会場などで流しっぱなしにするような素材作りに長けています。音楽に合わせて画面エフェクトが切り替わるので、 一見ミュージックビデオ風のノリのいいプレゼンテーション素材を作ることができます。

■ authorSTREAM

http://www.authorstream.com/

authorSTREAM は PowerPoint 資料の共有サイトです。 YouTube に投稿したり、iPod 用として利用できることも特徴です。 Web ページやブログに組み込んで見せることもできます。 RSS 出力を利用することができるので、音楽の Podcast 風に、 プレゼン資料の casting が出来ます。pptcast や、presentationcast など、 新しいジャンルの放送が始まることが予感されます。


■ その他のオンラインプレゼンテーションツール、プレゼンテーション共有サイト


■ 一歩進んだ魅力的なプレゼンを目指して

世界中で 1日に30万件の PowerPoint 資料が作られていると言われています。 魅力的なプレゼンテーションとして Apple 社 Steve Jobs のスピーチが様々な方向から分析されています。 しかし、誰もが Steve Jobs のような素晴らしいプレゼンテーションが出来るわけではありません。 希有な存在である人物と、素晴らしい製品があってこそ、 実現可能なプレゼンテーションだと考えられるのです。

ただし、一般の我々でも素晴らしいプレゼンテーションに少しでも近づく努力ができます。 それは、ひたすら練習することです。無駄な部分が自分で解ってきたり、 「慣れる」ことによって、緊張感が緩和されるのです。 またここで紹介した様々なツールを活用することによって、 他とは違った、一歩進んだ資料性もあり見栄えのするプレゼンテーションが出来るようになるでしょう。 ただ、悩んだ時には、プレゼンテーションツールに依存せずに、 人に何かを伝えるというプレゼンテーション本来の意義を再認識するのが良いのかもしれませんね。



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